「カルテット」
日本のドラマだと宮藤官九郎脚本のものが好きです。
「監獄のお姫さま」とか「俺の家の話」とか「ごめんね青春!」が特に好きで
セリフを言える位繰り返し観ました。
中でも「カルテット」はもはや子守唄代わりで、寝ながらみるほど(観てると言えるのか?)
謎に安心して何度も観たくなるんですね。
トーンですかね。
宮藤官九郎のものは細かい伏線が無数にあって、全部見逃せないのです。
映画も色々ありますが、やはり宮藤官九郎はドラマの方がいいと個人的には思います。
2時間やそこらではじわじわくる面白さがうまく伝わらないといいますか
宮藤官九郎の無駄遣いといいますか
もったいないと思います。
カルテットも監獄のお姫さまも俺の家の話も
グレーな部分とか直面したくない現実みたいな
そういう題材ばかりなのに、面白おかしく描くわけです。
それも面白いばっかりじゃないし重いばっかりじゃない上手いバランスで。
しんどいことを綺麗事にしたり、変にポジティブに変換しようとしないで描いてくれるので
安心して観られるというか。
カルテットのなかで一番好きな回は第3話の
すずめちゃんがクローズアップされる回です。
家族だから。家族だけど…というジレンマと自分の過去に苦しむすずめちゃんを救う、松たか子扮する真紀さんの全てを包み込む言葉。
苦しみを味わった人間にしか出ない言葉や深みってあるわけで
すずめちゃんが救われたと同時に、観ている人で救われた人もいるのではないでしょうか。
先日たまたま通りがかった店がなんとなくカルテットにでてくる店っぽいなと思い立ち寄ると
まさしく私の好きなシーンに出てくるカツ丼屋さんだったのです。
調べたわけでもなく、直感的に入ったらまさしくその店だったなんて運命的すぎて感動。
すずめちゃんが座ったであろう席に座ると、お店の人が気づいてくれて、カルテットで使用された容器でカツ丼を出してくださいました。
この運命的な日のことは一生忘れないでしょう。
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